詩 吟 に 思 う こ と
審査業務部長 髙見岳湘

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 詩吟について初めて出会ったのは大学時代に同期の学生が壇上で詩吟を始め喉でコロコロ廻しているのを聞き、以来詩吟は絶対にやるまいと思ったものでした。
 50近くになって北海道の単身赴任から逗子官舎に帰って来たところ土曜日の夜になると家内が「私詩吟に行くわ」と言うので後を追って行ったのが恩師松井岳篁先生との出会いで、その年の昭和63年の教場納吟会では、先生の親「松井岳洋先生」を始め当時の根岸会長等も参加され、岳洋先生の情感溢れた「塚も動け」「田原坂秘唱」等を聞くことが出来貴重な体験となりました。
 以来平成18年8月岳篁先生の入院まで先生の哀愁ある吟に生徒一同は酔いしれ、生涯先生と共に吟をと願っていましたが、同年12月逝去されました。先生の生徒は吟の上達著しく小生も努力していますが遠く及ばないのを痛感している所です。
 偶然にも嫌いだった詩吟の道に入り、指導者の立場となりましたが、教場の開始当初に全員で唱える「吟道精神」には、①朗吟することにより「中和」の人徳が養われる ②吟道は気を養うの道である ③吟道の栄えるところ正しい道が世界中にみなぎる とあることから一般に「吟道は人道」と言われております。私自身は「吟道精神」に謳われている素晴らしい人間とは到底思っていませんが「人の道」は「吟の道」に少しでも近づけるよう努力したいと念じております。
 吟力の向上については、簡単に達成できるとは思いませんが、先ず健康が第一で、その上で「詩の心」を十分音に表せるよう日々努力を積み重ね、聞く人に感動を与えられるような詩吟が出来たらと念じています。
 会員の増強については、明るく楽しい魅力的な教場を作ることが根本で、その上で会員獲得に教場全員で立ち向かい所期の目的を達成したいと願っています。

平成30年度 新常任理事の抱負

総 務 部 長
小 泉 岳 貴

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 この度常任理事として、総務を拝命いたしました。大きな責任感を感じております。総務として、的確にそして敏速に業務を進めてまいります 又、吟技の向上と会員の増強に取り組み、楽しい碩心会にしたいと思います。 本年は会員名簿製作の年です。ご指導のほど宜しくお願い申しあげます。

企 画 部 長
中 山 辰 風

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 企画部は「吟行会」「初吟会」は会員の懇親交流の場そして「温習会」は日頃の吟と舞の錬磨結果を発表しあう競演会を担当させて頂く事になっております。僕自身は吟歴も浅く、初めての任務であり不安もありますが、田邊無岳さん、山藤寛泉さんと見識豊かなお二人の副部長さんのサポートを得て、幾らかでも新しい事を取り入れていきたいと思っております。

教 務 部 長
菊 池 世 岳

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 会員の皆様が楽しいと思える碩心会である為に、私達は努力せねばならないと考えます。 楽しく学べる為に、解り易く伝える為にどうすべきか。総伝者や上位の方々が意欲を持って参加出来る集会が出来ないか…。より良い方向を目指し、教務部に出来る事を考えて参ります。

広 報 部 長
森   祐 風

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 紙媒体の「碩心」と電子媒体の「ホームページ」を効率的に利用し、会員増強に資することを目指します。
 年5回発行の「碩心」では、会員の日頃の活動状況を公共機関へも情報発信してゆきます。
 「ホームページ」は、素早い情報発信を武器に、画像、動画、音声を駆使して、若年層への浸透を図って行きます。

経 理 部 長
根 岸 岳 啓

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 今年度より、経理部長を仰せつかりました。 副部長の吉田桜山、遠藤千泉両氏の協力を得て頑張っていきたいと思います。 家計簿すらつけた事のない私ですが、自身の成長にも繋がるので責任をもって精一杯皆様にご迷惑をかけぬ様に務めます。各支部長さんには、会費集金時には、お世話になりますがご協力方よろしくお願い致します。

葉 山 地 区 長
山 本 岳 新

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 葉山に住んで半世紀弱、入門して四半世紀、前期に葉山地区副長を体験した経緯から、会への御礼ご奉公の気持ちで就任した。 先ずは、会長大方針「会員の吟力アップと増強」に、如何に「進行する高齢社会と趣味の多様化」をマッチさせることが出来るか、地元葉山地区での実践を目指し企画立案から始めたい。

平成30年度 新総伝者
(平成30年7月1日付)

行谷岳隆
(滝の坂支部)

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 昭和57年、親父の一色・平松支部に入会。 17名の楽しい仲間でした。奥伝受検の年、諸事情で支部が突然解散し全員退会。その後学校管理職を10年経験後、友人の誘いで平成12年再入会。ブランクを経ての総伝取得は私の勲章です。長かったですが良かったです。今後は会の発展、技能向上に力を注ぎたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

山本岳新
(東伏見支部)

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 入門して十数年ほどで「皆伝」を戴きこれで「免許皆伝吟の道を極めたり」と一息ついたらまだ奥が深いと知り、遂に四半世紀迄歩いた。  また今、敬愛する先輩の言葉を思い出した。 「趣味も、学業も、仕事も、結婚生活も、みな四半世紀を経てその道半ばに辿り着くなり」と。 人生100年時代、更なる奥まで覗いてみるか。

黒田岳慶
(幸和支部)

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 私と詩吟との出会いは、故西川幸岳先生からの1本の電話から始まりました。おつきあい程度の軽い気持ちでしたが、すばらしい先生方と楽しい仲間に恵まれいつしか25年たちました。この度総伝推薦をいただき「継続は力なり」を実感。これからも健康に留意し楽しみつつ吟技の向上をめざしたいと思います。ありがとうございました。

第37回碩心会吟詠温習会

初めて連吟コンクール審査委員を務めて
副会長 伊藤岳光

 私が連吟コンクールの審査委員?我が耳を疑ってしまうほどの驚き。それは「温習会業務内容の説明会」での出来事、担当部署の企画部の方より「審査委員になっていますよ」の言葉である。それでなくても新前の副会長である私は、 顔はニコニコだが胸中は穏やかならず。
 会員の方々が温習会当日に向け日々研鑚されているのが充分わかっているだけに、当事者の方々の事を思うと身の引き締まる思い、この業務に真摯に立ちむかおうと決心した。
 審査する上で心がけた点は詩文の読み・節調 (吟符)は教本に従っているか。誤読はないか。詩の心を理解し詩情が表現されているか。声量が豊かで発音(アクセント)が正確かつ明瞭に表現されているか。音程にふらつきがなく調和がとれているか。吟法は二句三息が基本。姿勢、態度、マナー。等を胸に審査しました。

新会員吟詠・初めてのお役
瀞朗支部 石田昌子

 詩吟のこと、何も知らぬまま逗子広報の「詩吟始めませんか」をきっかけに、70代半ばにして入会。先生、先輩方の優しさに甘えさせて頂き一年、忘れていた学びの楽しさを教えて頂きました。今回の新会員吟詠も、先輩方、不慣れな私を気遣い会議室の片隅で声出しにおつきあい下さり、お陰様でどうにか吟じることが出来ました。
 初めてのお役、お弁当係は、リーダーの方の 「大丈夫よ」のご指示どおり事前の打ち合わせ宜しく、和やかなうちに事も運び、他の支部の方々とも交友出来良い経験でした。
 今後も皆様とのご縁を大切に、吟道精神を心して進歩、向上して参りたいです。

第6回全国俳諧歌吟詠大会
渚支部 永田瀞風

 俳諧歌に出会い、10名で合吟、しかも競吟(吟題は「老木桜」)に参加することになりました。4月から毎週1回集まって練習が始まりました。お忙しい中、上村先生も毎回練習にお付き合いいただき、時間が無いので一生懸命でした。7月までは、まだまだ先だと思っていたのですが、すぐに本番の日が来てしまいました。
 大会の前日、ホテルのチエックインの後練習をしました。当日、諏訪湖の湖畔で練習する人やグループがいて、あちこちから「老木桜」の吟が聞こえ、旅行気分が一気に抜け緊張しました。午後からの出番に向け昼前に先生に最後の練習を見ていただきました。全国大会だけに、すごい熱気があり、会場も広く聞いていても、出番を待っていた時もリーダーの人が「他の人の吟をきかないで」とか、ぴりぴりとした空気が流れていました。同じ「老木桜」でも、強くしすぎたり伸ばし過ぎたりすると違って聞こえ勉強になりました。
 これからは、この会場で味わったこと、人々のやさしさ等気づいたことを頑張りたいと思います。話をしないと人はわからない。本当に感謝です。これからもよろしくお願いします。楽しい2日間をありがとうございました。

全国青年吟道大会に参加して
真名瀬支部 吉見恵里

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 この度は全国青年吟道大会に出場するという貴重な経験をさせて頂きました。会場は、JR小岩駅から歩いて15分程にある小岩アーバンプラザというところでした。連日ニュースで「危険な暑さ」と報道される中、大会当日も暑い日でしたが、客席は満席で、出吟者は北海道から沖縄まで、まさに全国から集まり、会場は熱気にあふれていました。同じ吟題を全国の人達が同じ節調で吟じることに不思議な感じを受けましたが、同時に一体感を感じ感動しました。
 出吟者は私よりも若い方が多かったのですが、皆さん長く詩吟を続けられていて、どこから出ているのだろうと思うような声量と、安定感があり味のある節調に「これが全国大会か」と驚きました。
 私の出番は第二部の一番目、大山岳壮先生の講話のすぐ後でした。練習通りにできたので、吟歴第一歩としては上出来だったと思います。日々ご指導くださり、当日もお気遣い頂いた鈴木先生と、ご協力くださった役員の皆様に感謝致します。どうも有難うございました。

熱く暑い1日 碩心会夏季吟道講座

8月18日、葉山福祉文化会館において夏季吟道講座が開かれた。100名近い出席者は、俳諧歌・漢詩・近代詩・古詩の4講座に取り組んだ。以下、ハードな1日を終えた参加者の感想である。

🔶講座は有意義な内容でしたが、俳諧吟詠は当支部のレベルでは難しかったです。また、参加する心構えとして予習は不可欠の言葉とおりでした。講座は3講義が集中できる範囲と感じました。 (悠々支部 福原時泉)

🔶毎回、新しい知識や吟技の学びを楽しみに夏季吟道講座に参加しています。講師の先生方のご指導から自身の課題を見つけ、それらを身に付けるべく精進したいと思います。 (酔吟支部 品川榮風)

🔶今回の講座は多くを詰め込まれ超特急でした。感銘を受けたのは『素読は仮名の拾い読みではなく言葉として捉えナレーションの様に読み緩急をつけ詩情豊かに吟ずる』でした。 (一色支部 上野花岳)

 吟歴の違いもあり、吟技の向上の課題は様々であると思われるが、今回の指導により解決したこと、今後の課題として残ったこと、更に新たに生まれた課題等もあるに違いない。秋からの吟の目標の生まれた一日であった。 (森 晶風)

髙 橋 岳 之 先 生 を 悼 む
瀞朗支部 磯村岳朋

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 岳之さん。いえ ユキ子さん お互い負けず嫌いで、いいライバルでしたネ! でも何となく気が合って、よく旅行へ行ったり、 扇や袴を買いに行ったり、本当に楽しい44年間 でした。突然の訃報に今、茫然としています。
 思い出すことは、チェコで詩舞をしたことや詩吟の稽古をさぼってカラオケに行ったり、 楽しかったことばかりだったのに、之子さんの緊急入院。でも元気に退院して、佳香会50周年大会の計画をして、会場も日時も決めたのに、再びの入院、そして再びの復活。これは奇跡です。記念大会の見直し時、今度私が入院となり今年の5月に漸く大会を開催できました。
 之子さんは、碩心会の80周年大会も副会長として責任を果たしました。何度も私に、「常任理事会は大丈夫か」と聞いてきました。心配ないと言っても「ホント」「ホントね」と念を押してきました。そんな之子さんが、6月5日に稽古場に来て、みんなに佳香会50周年の無事終了への喜びを語ってくれました。そして、これからの佳香会のことを会員全員に確認しました。最後の稽古は吟を詠じ、昼食もみんなでいただき、午後2時頃「疲れた」と言って帰りました。それから2週間後の稽古のさなかの訃報でした
 本当に驚きました。でも、之子さんの思いも気持ちもしっかり私に届きました。

第64回夏季吟道大学講座
メルパルクホール東京

 「格に入って、格を出でざる時は狭く、又恪に入らざる時は邪路にはしる。格に入り、格を出でて、始めて自在を得べし。詩歌・文章を味ひ、心を向上の一路に遊び、作を四海にめぐらすべし。」(『祖翁口訣』芭蕉)
 溽暑の二日目、『野ざらし紀行』より「旅立ち」の最終講義で大山岳莊理事長が締めくくりに紹介した芭蕉が俳諧の心得として述べた言葉である。
 基本(格)の大切さを説き、基本を抜け出して初めて自分らしさが発揮できると。大学講座の狙いの一端を垣間見た気分であった。
 「素読」や、吟じ起こし時の呼吸の仕方等、今回も基本の大切さから講義は始まった。
 今まで受講してきた講座で、「母音を押す」、「張る」等の節調の吟じ方を習ってきたが、今回は原島岳庸先生より「引く」という新たな吟じ方を教授された。半音上げたり半音下げたりするときには「引く」だけで良いのだと。
 とは言え、「細かい微妙な節回しに心を奪われ、そこを真似ようとして、本末を誤る恐れがある。」(吟道奥義抄)ことには注意しよう。
 会場のメルパルクホールは1300人の収容能力があったが、全国から参集した会員で場外同様に熱気に溢れていた。来年も同じ会場を使用するとのこと、「引き」の後には「突き」が出てくるのだろうか? 楽しみである。「邪路」に走らないようにはしよう。   (森 祐風)

「児童見守る優しい目」
(6月18日発行 神奈川新聞)

 相洋支部の加藤典風さんが「児童見守る優しい目」と題して、神奈川新聞(6月18日)に大きく掲載された。150人以上の児童が利用する交通量の多い丁字路に朝と昼下がりに立ち続けて10年余。 「元気なうちはずっと続けていきたいと。今も活動を継続中。  (小菅岳倖)