繋 が り
普及部長 鈴木岳賢

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 コスモスが微笑みかけていたあの日『歳をとったら茶飲み友達が必要よ。教室の仲間も皆、気の良い人ばかりだから一度お茶飲みに来て』と誘われ、私には、詩吟は無縁の世界と思っていましたが一年間ほど断り続けやっと入会。昭和59年4月恩師矢嶋岳悦F教場でした。日本詩吟学院の偉大さ、大会では先輩方の耀き燃えて吟ずる様子に感激‼
 当時家庭・仕事・詩吟と忙しい毎日でした。来た道の速さを痛感している今日この頃です。
 65歳で「神明奉仕の心」の職場を退職し、普及部長を拝命致しました。
 レッツ詩吟・葉山広報誌・FM放送での碩心会の紹介と詩吟へのお誘い・NPO町作り・森山神社例祭資料配布・口コミ勧誘など、副部長の原田岳義、照沼夏風の三名にて熱意と誠意を持ち普及活動に頑張っています。
 キャッチフレーズ
 【健康に良し、ストレス発散、若さを保つ、素晴らしい仲間達と一緒に、詩吟を始めませんか!】と詠っています。
 “実りの秋”に相応しく有り難い事に会員数も少しずつ増加しています。これもまた、日本詩吟学院、碩心会の看板と諸先生方、各支部、皆様のご尽力と感謝しております。
 9月23日、全国吟道大会名古屋センチュリーホールでは、栄えある功労賞を頂き皆様に深くお礼申し上げます。熱意あふれる会場、素晴らしい吟詠、感動の連続と、ともに学院の会員であることに誇りを感じました。
 行く道は、熱心な生徒達にパワーを頂き、皆様に支えられ健康に留意し感謝の心を忘れずに微力ながら会員増強、吟力向上に努力し、「青春」心の様相と吟道精神で頑張ってまいります。今後ともよろしくお願い致します。

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  私の好きな言葉
 花は色 人は心

平成30年度 功労者表彰

 9月23日(日)名古屋国際会議場センチュリーホールで開催された「第129回全国吟道大会」に於いて左記の4名の会員が表彰されました。
  功労者の部(75名受賞)  鈴木岳賢
  寿百歳の部( 6名受賞)  村田岳瀞
  寿九十歳の部(244名受賞) 松岡岳杏
               山田岳遼 
                    

 10 段 を 受 審 し て 
碩心会秋季審査会(9月15日)

 外は雨にもかかわらず、会場内は熱気で汗ばむような一日であった。午前の部は初段から6段の39名が、午後の部は奥伝から師範の16名が受審した。。最後の受審となった10段の人の声を聞きました。

☆東伏見支部 油谷悦岳

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 目標の10段を受審させて頂き、ホッとして居ります。2年程前、医師から声帯萎縮症と診断され退会も考えましたが、御指導下さる上村先生や支部の皆様に励まされ、審査を受ける事が出来ました。感謝です。 今後は健康に留意し、多少声が出なくても詩の心を大切に吟じられる様、勉強していきたいと思っております。

☆瀞朗支部 島 光岳

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 最後の昇段審査が終わった。安堵感と寂寥感だけが残った。私は審査を受けるのが好きだ。高段者になると、色々な分野の課題が与えられる。大変だと思う反面、わくわくする。これら全てを成し遂げたいと思う。試行錯誤しながら作り上げていく過程がたまらなく楽しい。そして、その成果を先生に聞いて貰えるのが、また嬉しい。だが結果が全てである。私は段に見合う吟が出来ていただろうか?やはり高くなったが、精一杯吟じ切った。私の挑戦は終わった。

全国優秀吟者吟道大会
紫陽花支部 中山辰風(10月14日)

 大会横断看板に国旗を掲げ、袖には「一吟天地心」の垂れ幕、そして学院旗が置かれた舞台は厳粛さを醸し出していた。そんな中で漢詩48題、和歌43題、連吟16題の順でコンクールは進みました。流石に地区予選を勝ち上がった方々の吟詠は迫力、情感の表現等素晴らしく、未熟な小生にも心に響くような気がしました。
 大会会長(大山理事長)挨拶に「単に吟技や美声の披露のみに陥ることなく、吟者の心の表現を競い合う場であってほしい」とありましたが將に練磨された吟詠ばかりでした。特に皆さんがきれいな姿勢で詠ずる詩はそれぞれの個性と融和して印象深いものがありました。
 普段はCDやテープを聞き慣れている小生ですが、詩吟は吟者が全身で詠い上げる、ナマの吟を鑑賞すべきだと今更ながら実感した次第でもありました。
 競吟結果は部門別に「木村岳風賞、2位、3位、努力賞2」の表彰があり、理事長講評で「トメ10年と言うようにトメで余韻が生きてくる。ひろい読みが少し気になった」また「吟題から詩文に入る間の取り方にも工夫を」とか、和歌については「漢詩とは発声が違う。序詠と本詠の詠い方の違い・流れ、を身につけることも大事」等々。何度か聞いたことはありますが全国大会の舞台で聞く話に改めて心に刻む言葉でありました。我が相州4団体からの出吟が無く身びいきに応援ができなかったのが少しばかり心残りで でした。

第 10 回 相 州 吟 詠 大 会
逗子文化プラザ(10月23日)

 奥伝以上の独吟で東伏見支部の大内翠岳さんが優勝。大内さんに詩情表現にまつわる思いを書いていただきました。

【大槻盤渓とのご縁 東伏見支部 大内翠岳】
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 相州岳風連合吟詠大会独吟競吟の部で、昨年は「平泉懐古」今年は「春日山懐古」と何れも大槻盤渓の漢詩を吟じました。
 思い起こせば、中学生の頃、郷里に程近い一の関駅前に建つ銅像を「大槻盤渓という大学者」と父から聞いて以来、仙台、東京から帰省の都度、この銅像を見上げたものでした。
 昨年曽祖父の百回忌法要で主人の実家に参りました際、曽祖父が安政六年、16歳で伊達藩の藩校「養賢堂」に入門し、学頭大槻盤渓の下で研鑚を積んだことを知りました。明治維新により養賢堂が廃止される迄の九年間の遺品の中に四書、五経、文選、孝経等数多くの漢籍の外、五百余編の自作の漢詩が残されており、漢詩は全て美濃紙に端正な楷書で墨書して師に提出し師は一々丁寧に朱書を入れて添削批正しておられます。門弟をかくも親切に指導された師の温情に涙があふれ頭の下がる思いが致しました。
 それ以来、大槻盤渓に親しみとご縁を感じ、吟題に選びましたが、思いがけず優勝し望外の悦びです。偏に上村先生、育成会や師範会の先生方の御親切な御指導の賜物と心より御礼申し上げます。今後とも諸先生の御 指導を仰ぎ、東伏見支部の皆様と共に一層吟道に精進して参りたいと存じます。

雅号の由来『そよ吹く風は南より』
相洋支部 神山凱風

 詩経に『凱風』という「そよ吹く風は南より 吹いていばらの芽は育つ いばらのわか芽わかくして 母の苦労ぞ限りなき」で始まる四句四連の詩があります。
 この詩は七人の子を育てる母親の苦労を歌い、『凱風』は初夏に吹くそよ風、暖かい南風を「母の愛」として表現されています。私の雅号はこの詩から頂きました。
 若い頃は声もよく出て、勇猛果敢な吟も、情緒纏綿たる吟も何でもござれ、嬉々として詩吟人生を楽しんでいましたが、脊椎神経狭窄症で腰を悪くしてからはお腹に力が入らず、音程の定まらないフラフラ吟になってしまいました。少しでもよい声が出るようにと、ベッドの上で寝て発声練習をするうちに、洋楽でいうカウンターテナーのファラセットらしき裏声が出せるようになりました。
 この発声法はJ.S.バッハのマタイ受難曲の第63番で歌われている天使の歌声のような非常に感動的なものですが、これを詩吟にも活用できないものかと愚考した次第です。これは勇壮な漢詩吟には不向きですが、もしかしたら陰旋律の短歌や俳句に応用できるのではないか。しかしそう簡単にモノに出来るわけがありません。そこで七段審査の「白菊の花をよめる」、「旅に病んで」一生懸命練習しました。うまく高音の「ミ」を使えれば、かなりいい線までイケルのではないかと思いました。乞うご清聴。それでは又。

盛況 吟行会 68名
(10月29日)

「天高く馬肥える秋」企画部主催の吟行会。
 2台の観光バスに分乗し、最初の訪問地根津神社に向け定刻に出発した。途中、渋滞に見舞われ、湯島天神をスルーすることになったが、予定どうり「道灌蓑を借るの図に題す」の吟奉納を済ませ、お目当ての吟道会館に向かった。 card image cap
 吟道会館では、内山岳青総本部理事、半間岳雨先生が首を長くして到着を待ちわび、歓待して戴いた。参加者を3班に分け、3階建ての各階を隈なく案内され、最後はホールで「碩心会の詩」を合吟し記念撮影をしてNHKテーマパークに向かった。駆け足の見学だったが、帰りのバスの中では満足感が漂っていた。吟道会館ホールを半日借り切る。夢かな。        (森 祐風)

私にとっての吟技の向上とは
神静地区吟道講座(9月30日)に参加して

 毎年のように『吟技の向上』と言われて来た。しかし現実は、私の『吟技の向上』はお題目化していたように思う。 何とかしたくて今回の講座に参加した。
 第一講の漢詩『偶成』で、「この吟は全国の講座で多く取り上げられるので、講師間で吟じ方の統一をした」と言われた。講師の「自分流」を敢えて封じ、全国統一した吟で指導するということであった。それが新鮮で本部の思いを感じた。また、意味は解らなくてもただ自分に向けてリズミカルに読むのが素読、意味を理解し相手に向けて読むのが朗読で、詩吟は朗読と同じ、読みを大きな声でやるのが詩吟と。素読で読み方やアクセントを知り、詩の意味を理解し思いを声で表現して相手に伝えるのが詩吟と自分の中にすとんと落ちた。
 第二講の和歌『霞中春雨』では、母音の無声音化についての話が心に残った。『きて』『あした』などの「き」、「し」の母音の無声音についてである。今まで無理に有声音風に発音することが、はっきり発音することなのだと勘違いしていたことに気付かされた。
 第三講『塞下曲』。一つ一つの吟符について丁寧な指導があった。特に「引き止め」をきちっとすると次の言葉が生きてくるという話が有り難かった。日頃止めをしっかりとか、クレッシェンドにして止めるとか言われるが、その意味が次の言葉を生かすことになると知り、教室での指導がぴったりと合致し、すっきりした思いであった。
 第四講『富士の山を望る歌』では、詩文の主題をよく理解して吟ずことの大切さを学んだ。主題を理解するために歴史的・社会的背景を知ることがいかに必要か具体的な資料をもとに理解することができた。言葉の意味や人物像等の下調べは今までもしてきたがより広く意識的に取り組む必要を感じた。こうして吟に取り組むことが、第一講で学んだ聞き手を意識した吟にと繋がっていくのだと確信した。          (森 晶風)

第9回尚歯会神奈川吟詠大会
神奈川公会堂(10月20日)

 新しい試みとして「おしどり吟」が採用された。15認可団体から一組づつ参加。本数のかけ離れた吟を巧みに吟じ合ったが、吟詠の一ジャンルへと発展するか楽しみである。
 年々、尚歯会の吟力は吟歴相応の素晴らしいものになって来ていると聞かされていたが、年齢を感じさせない90歳以上の吟の迫力には圧倒された。正に、「人生経験豊かに磨かれた声での格調高い吟」(会長挨拶)であった。
 100歳以上の吟に出吟出来るように吟道に精進しよう。 (森 祐風)

「児童見守る優しい目」
(6月18日発行 神奈川新聞)

 相洋支部の加藤典風さんが「児童見守る優しい目」と題して、神奈川新聞(6月18日)に大きく掲載された。 card image cap
 150人以上の児童が利用する交通量の多い丁字路に朝と昼下がりに立ち続けて10年余。 「元気なうちはずっと続けていきたいと。今も活動を継続中。  (小菅岳倖)

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